僕の初めて自分で歌を作り出したのは1998年頃だったと記憶してます。
当時の僕は24歳でした。シンガーソングライターを目指すにはかなり高齢かな、思います。それでも僕には僕の考えがありました。
必要なものがそろっていないと楽曲制作は出来ないと考えていました。
必要なものは、

- 録音機器
- パソコン
- プリンター
ひとつひとつ見ていこうと思います。
まず録音機器、いわゆるMTR(マルチトラックレコーダー)です。当時使っていたのは発売されて間もない記憶媒体がMDを使用した、4チャンネルの物でした。それまでのMTRはカセットテープで録音されていたというから、劣化が進むのではないかと思って買わなかったです。
使い方は今でも練習スタジオにあるミキサーと同じような本格的なもので、覚えるまでが大変でした。それでも一度覚えてしまえば割と簡単に録音が出来るようになっていきました。
次にパソコンです。
当時はパソコンに録音するとか、そういう使い道ではなく、作った歌詞を入力・記憶させるための物として購入しました。当時の値段で30万円しました。
なぜか詞をパソコンで入力しようと思ったかといえば、書いた歌詞を例えばノートに書くと、
「この部分は2番も繰り返し」とか「1番のここと2番のここを入れ替えたい」
など詞の加工が容易になると思ったからです。間違えたところや必要のないところを消したり、コードを書くのに間を開けて、それを2番にコピペしたり・・・
これらのことはノートでやるのは無理です。そこに気が付いた僕はパソコンが絶対に必要だと確信しました。作詞の元になるものはノートでしたが、そのノートの書いた内容をパソコンに入力しているうちに不要な部分や付け足したい部分が見えてきます。そういった加工が格段に便利だと考えたのです。
最後にプリンターです。
これがないと歌おうと思った時に、歌詞がわからないというのと、記録として残しておきたい物をすぐに見ることが出来るという事も考えました。これもノートに書いてあるものでは気軽に見ても、読みにくいので、余計なものは極力省いた状態で印刷する必要があったと思ってました。
これらの機器を買いそろえるのに全部で
ノートパソコン=約30万円
MTR(中古)=約7万円
プリンター=約5万円
計42万円程かかりました。それでも曲をつくりたいの気持ちが強かったので、ボーナスで一括購入でした。まだ1曲も出来ていないのに、すごい先行投資だなと今では思います。
それでも曲を作り出してからは次々と曲は量産されていきました。当時はドラムもベースもなかったのでカシオのキーボードで録音してました。いつの間にかピアノの弾き方も覚えてしまって、とはいってもコードを弾くくらいでしたが、それでもかつてのギターだけを弾いている自分としては、大満足でした。
当時住んでいた横浜の駅に出かけて人の流れを見ていると、いろいろと詞のモチーフが浮かんできて、忘れないうちにノートに書き留めては、自宅でメロディーとコードをつけて、MTRで録音して、プリンターで印刷する。
この流れは今と全く同じです。違うのは記憶の部分がパソコンになって、ギター以外の楽器はすべて打ち込みになったことです。そのおかげで曲そのそのものが飛躍的に質の高い物になっていきました。そしてもうひとつの革命が「ヴォーカルも自分が歌わない」という事でした。当時の僕は声に自信がなかったのと、間違えって歌を歌ったらまた録音し直しになる事が煩わしいと思ったからです。
そので登場したのが「ヴォーカロイド」です。これも本を1冊買って覚えました。思っていたほど難しいものではなかったですが、それでも一筋縄ではいかないものでしたが、使いこなせるようになると、とても楽しいものです。文句は言わないし、スケジュールの都合でキャンセルもないし、どんな過激な歌詞でも歌ってもらえますし、どんなにキーが高い曲でも歌うことが出来ますし。もともと自分の声があまり好きではない僕にとっては、今は欠かせないアイテ
ムのひとつ、です。

最終的にまとめますと
- ノート(歌詞になるアイデアを書く)
- パソコン(ノートに書いた詞をひとつの詞にまとめる)
- プリンター(パソコンで作った歌詞やコードを印刷する)
- ヴォーカロイド(出来上がった歌詞を自分のかわりに」歌ってもらう)
こんなところでしょうか。曲作りは割と簡単ですが、そこから先の録音やまとめる部分が、複雑かもしれませんね。
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