人間関係を構成する4つの要素

疾患

僕は自己愛性・境界性・強迫性パーソナリティー障害と診断されています。特に自己愛性については複数の医師から診断されていることもあり、間違いないと思われます。
特徴は

  • 傲慢で攻撃的
  • 少し批判、意見されると猛烈に怒る、または引きこもる
  • 自分のことだけ考えて他人のことはどうでも良い
  • 相手の気持ちを共感できない
  • 人間関係ですぐに摩擦を起こす
  • 他人からの評価を過剰に気にする
  • 傷つけられたと感じやすい
  • 劣等感を持っている
  • 過剰な賞賛を求める
  • 自分が特別な存在だと信じている
  • 他人に嫉妬する、または嫉妬されていると思い込む
  • 挫折に弱く、傷付きやすい
  • わがままで自己中心的な考え方
  • 「馬鹿にされること」に最も腹が立つ

などがあります。
いずれにしても自分の生き方や、他人との生き方に対して、不便であり時には自分も相手も傷つけてしまうことがあります。

これらを治していくにはどうしたらいいのでしょうか?
自己愛性の中には「成功者」が含まれていることもあり、必ずしも悪い事ばかりではない場合もありますが、ほとんどの場合、周囲との摩擦や怒りと相まって、上手くいかないケースが多いとされています。

他者からの評価を過剰に気にするのが特徴なのですが、その他者からの評価は本当に正しいのでしょうか?そもそも自分の存在と他者の存在に、大きく違いがあるのでしょうか?
本当は皆、同じような悩みを抱えて生きており、自分だけが特別に苦しいわけではないと考えることが大事です。不変なことなどはないわけで、人生は思考と感情の連続なのです。

辛い出来ごとがあった時、普通の人にも自己愛性の人にもストレスを感じるわけですが、特にパーソナリティー障害を持つ人は二次的苦労と言い、普通の人のストレスよりも強く重たいストレスを二重に捉えてしまい、「なんで俺だけが、私だけがこんな目に合うんだ」と考えてしまいます。その考え方は自分を苦しめる辛い生き方なのです。そういう自分だけの常識にとらわれない事が大事になってきます。

タイトルに4つの構成と書きました。次の4つに分かれます。

  • 相手
  • 関係性
  • 環境
  • 自分自身

この中でもっとも変えやすいのは「自分自身」です。そもそも自分の考え方が必ずしも正しいとは限りません。視野が狭くなっているために、物事が起きた時、自分のせいなのか、他人のせいなのか、偶然起こったことなのかの区別がつかずすべてを自分のせいにしてしまいます。
時には自分の考え方を見直し、正しくない事もあるのではないかと考えてみることが大事です。同じ出来事でもその都度考え方は違うのです。

反対にもっとも変えにくいのは「相手」です。ただ相手というものはいちいち「僕、私自身」を考えて行動しているわけではありません。相手には相手の都合があって、それによって生きているわけです。その中には必ずしも「僕、私自身」が含まれているわけではないのです。そこを勘違いすると「僕、私の事を考えてくれていない」と過剰に反応してしまいます。そもそも相手も「僕、私自身」があるわけで、いちいちこちらのの都合を考えてはくれないのです。そこを勘違いして相手に何かを期待してしまう。褒めてもらいたいとか、注目してもらいたいとか、そういう考え方に陥りやすいのが自己愛性パーソナリティー障害なのです。

これらを治していくにはまず相手の気持ちを想像することが大事です。常に自分への賞賛や相手からの批判を考えるのではなく、相手には相手の考えがあると認識することです。いちいち「僕、私自身」のことを考えているわけではないということに気づかなくてはなりません。そう考えられるようになって、初めて自分がいかに重たいストレスを抱え込んでいるかということに気づくことができるのです。

パーソナリティー障害は不眠症、摂食障害、不安障害、パニック障害、鬱病などの症状と併発するために、辛い時には薬物治療も行われます。僕自身も薬を飲んでいます。

パーソナリティー障害は長い間自分を形成してきた人生においてそのこだわりの強さが症状となって出てきたのもであり、誰が悪いと犯人捜しをするのはやめて、家族の在り方について問題はなかったかを考えることも有効です。

この自己愛性パーソナリティー障害を克服するには自信の努力が欠かせません。考え方の偏りを修正していくのです。

  • 厳しいことを言われてもその場ですぐに怒らない
  • その感情をデータとしてパソコンやノートに記録しておく
  • 多くのデータが集まる
  • 自分が想像していたデータと比べてみる
  • 思ったほど良くはないけれど、まんざら悪いわけでもない、と気づく

これらの考え方で、自分を含め、家族や職場の人たちと程よい距離を保ちながら、少しずつ視野を広げていくのです。僕も先日主治医から「辛い事や苦しい事があったら『~だけど、まぁいいや』と考えてください」と言われました。するとそれまでは許せないようなことでも、意外に「まぁいいや」と考えて、気分が楽になることを実感しました。

パーソナリティー障害を治すために認知行動療法を受け始めて1年数カ月経ちました。自分としては自分の手の届く範囲のことは何とか克服できつつあると思っています。
ただこれがそれまで経験してきたストレス源と対峙した時に冷静に振る舞えるかどうかには、大きな不安を感じています。
それは「相手が自分を賞賛、尊敬してくれない」「相手が思い通りにならないと必要以上に腹が立つ」という歪んだ考えを治していく、気付く。それが大切ではないかと思います。

変えられない相手、変えられる自分、そこに相手との関係性と環境がある。
それをよく理解したうえで「まぁいいや」と思える自分で生きたいです。

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