ここのところ年を取ったことばかり書いているのですが、真実なので仕方ないです。
僕は左の下の奥歯2本がありません。抜歯しました。年を取ったといってもまだ30代くらいの頃です。それのうち1本の原因は小学校6年生に遡ります。12歳当時、僕は何が何でも歯医者に行くのが嫌でした。幼少の頃から歯医者が怖くて泣き叫んだり、治療中も暴れたりしてすごく手の付けられない子供でした。
そんな記憶があって、何しろ歯医者に行きたくなかった僕でしたが、ある日詰め物が欠けてしまい。歯と詰め物の間に隙間が空いてしまいました。これに恐怖した僕が取った手は
アルミホイルを詰めて瞬間接着剤で固める、という事でした。
結果は、悪くないものでした。少々接着剤の匂いが口の中に充満しましたが、、歯医者に行くよりはましだろうと我慢してそのまま過ごしていました。
ただ時々、そのアルミホイルが取れたり、すり減ったりするので、その都度またアルミホイルを詰め直すのでした。
月日は流れ、僕が25歳になった時、その歯に激痛が走りました。いくら歯医者が怖くても、これは治療しないとどうしようもないだろうと、近所の歯医者に行きました。
結果は「歯の中が膿んでいる」という診察でした。こうなるともう虫歯の治療みたいな簡単な処置では治りません。神経を抜いて上から被せるしかありません。何日も通って治療をしまして、被せ物をして治療終了でした。
さらに月日は流れ、30歳くらいの頃、またその歯に痛みが走りました。その頃は以前の通った歯医者から遠いところに引っ越していたので、会社と自宅の間にある歯医者に行きました。
そこで信じられない事実がわかりました。
通常、神経を抜いた歯の中にはセメントを詰めて上から被せ物を被せるのですが、レントゲンを見たところ、そのセメントがなくて、被せ物だけがしてあり、空洞になった歯の中身が膿んでいるという事でした。つまり前の歯医者のミスだったのです。しかもその歯はヒビが入っていました。こうなるともうその歯を治療することは不可能でした。よってこの歯は抜くことになりました。ヒビの原因は恐らくアルミホイルを何度も何度も詰め込んだダメージではなかったか、思いました。
傷んでる歯というものは一度抜いてしまえば、全く痛みはなくなるのですね。抜歯する時の麻酔が怖いだけで、あとはこれといった痛みはなく、快適でした。
またまた時は流れ、35歳ごろにまた歯が痛くなってきました。抜いた歯の隣の歯が痛くなってきたのです。歯を抜いた歯医者に診てもらいました。結果は歯周病でした。歯自体は問題ないが、歯茎のそのものが膿んでいるそうでした。出来れば抜きたくなかったし、歯医者さんも35歳という若さで抜歯するのは勿体無い、ということで、なんとか歯を残すよう、月一通って、その歯の周辺の歯茎を治療してなんとか歯を抜かずに過ごしていました。
それで40歳ごろのある日に、とうとう歯の治療をしても、痛みが取れなくなりました。もう限界でした。僕はこれ以上痛みに耐えられない事を歯医者さんに告げ、結局その歯も抜くことになりました。
先述した通り、抜いてしまうと痛みは全くなくなるのですね。
ただ歯が2本無いとさすがに噛みにくいという事で、入れ歯を作ることになりました。保険適用の入れ歯ははめ心地が悪い上に半年ほどではめられなくなると言われ、保険適応外の部分入れ歯を作ることになりました。その額50000円。寿命は2年。迷いましたが、毎日使うものだから元は取れるだろうと思い、その50000円の入れ歯を作ってもらうことにしました。
やがて入れ歯は完成しました。部分入れ歯とは言っても、普通の歯の30%の力でしか噛む力はないと言われました。そうは言ってもせっかく作った入れ歯なので大切に使うことにしました。
初めの頃は毎日その入れ歯を使っていたのですが、寿命を延ばすために毎日使うことはやめ、2日に一回とか、1週間に1回だとか使用頻度を減らしていきました。しかしず―っと使わずにいると抜いた隣の歯が倒れてくると聞いていたので、一カ月に1回くらいは使うようにしました。
現在に至っては3ヶ月に1回くらいしか使いません。それも1時間くらいです。おかげで部分入れ歯は壊れることなく、現在まで無傷でそのままの形を保っているのでした。
思えば小学6年の時にちゃんと歯医者に行って、歯と詰め物の間を治してアルミホイルなんて入れなければ、こんな事にはならなかったのにと、後悔するのでした。

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