去年に「自己愛性パーソナリティ」と診断され、さらに「境界性パーソナリティー障害」「強迫的パーソナリティー障害」と、3つのパーソナリティー障害と診断されました。
それ以来、専門医の下で治療を受けています。薬物療法は既に双極性障害の治療で行っているので、もっぱら認知行動療法による心理療法を受けています。認知行動療法の内容に関しては先日書いたのでここでは割愛しますが、自己愛性パーソナリティ障害について、思い当たることを書きます。
自己愛性パーソナリティの人は常に自分が注目されていないと気が済みません。出来れば自分の持っているその分野でトップでいたいと思っています。
自分の思ってる考えが最も優れていて、他の人たちは自分よりも劣っていると考えています。自分こそが全てを回しているというような考え方に陥ります。
そのくせ自分の中には常に心の弱さを抱えていて、それを見抜かれないように堂々と振る舞おうとします。なので自分が正しい、自分が優れている、自分の考えたことは素晴らしいものだ、などと考えて、そう振る舞います。
そこで他人からほんの少しでも「意見」や「批判」をされると自分の思っている「自分が一番だ」という部分を気付付けられたと思い、とても腹を立てます。普通の人ならば「たったそれだけのことで?」という程度の批判でも、猛烈に怒りを覚えます。実際にそれが言動に出たりすることもあり、周囲を驚かせます。
それは結局「心が弱い」ことを見透かされた感覚があって、その領域で自分に歯向かう人、歯向かう意見などについて認めたくない、と同時に自分のことを認めて欲しいという思いが強すぎるのです。
そうしているうちに気が付くとそんな付き合いにくい奴とは居たくないとばかりに、人が減っていきます。または心が離れていきます。それは自分自身でもわかっているので、「自分はチヤホヤされないんだ」と引きこもってしまいます。自殺のきっかけにもなりえます。
ここまでいちいち考えてしまうのが「自己愛性パーソナリティ障害」です。いちいち構ってもらっていないと、たちまち自分が一番、頂点に立てないと思ってしまうのです。
すごく面倒くさい症状の持ち主ですね。
そこで認知行動療法です。、
- なぜ自分が一番でないといけないと思うのか
- 他の考え方はないのか
- もっと楽な考え方はないのか
- 常に一番でいることで困ることは何か
など、今の自分の考え方を掘り下げ、その考え方について間違いや偏りがないかを丁寧に考えます。
そこで問題点がわかってきた時、それを実行して本当に自己愛性パーソナリティ障害でいる事がいかに苦しくて、偏狭であるかを感じます。それをまた次の診察の時に話し、どうすればよかったのかを振り返ります。そしてまた違ったアプローチでの障害に対する考え方を学び、それを実践していく。
という流れです。
僕も当初は「いつも自分が一番でいないと会社や家庭が回っていかない」「そのために周囲は自分に協力するべきだ」などと考えていました。「自分が批判されるとものすごく腹が立つ」とか。
それを上記のような考え方をすることで、行動も落ち着いたものになる、という事で今も気を配りながら生活しています。
- いちいち腹を立ててもしょうがない
- 常に自分が一番などはあり得ない
- 自分ひとりで生きているわけじゃない
- 気になることがあったらそれは「仕方がない」と受け入れる
といった具合です。そうするとちょっとの批判で頭にくることは少なくなりました。行動もさほど荒っぽいものではなくなってきました。
ただそれは今の自分が「時短勤務」「週3日勤務」という非常に甘い枠組みの中での話であって、本当にストレスにさらされた時にそこまで落ち着いた考え方や行動ができるかと考えると、何かしら会社や業者の人に敵対心を抱くのではないかと思ってしまいます。結局それはやはり「自分の言うことを聞くべきだ」というような考え方から抜け出していない、という事の表れなのだと思います。
パーソナリティ障害、なかなか治らないのが実情です。
でも治療方法の考え方はとても納得できるものがあり、それをコツコツと実践していくことが、今の自分に課せられた宿題なのではないかと考えている最中です。
コメント