
久しぶりに新曲の制作と録音をしています。先月に「虫のいい男」という曲を企画的に作りましたが、それは自分の思った事というより、いろんな事実を書き連ねたものでしたので、本当の意味でのオリジナル曲は数カ月ぶりとなります。
ひとり静かに、と名付けた歌はかつての熱い恋と、今のひとりになった自分との対比をものに例えて描きます。最近チューリップの「虹とスニーカーの頃」という歌が気に入りまして、そこからヒントを得たものでもあります。
「わがままは男の罪 それを許さないのは女の罪」と歌い出される曲は非常にポップかつ重いもので、瑞々しい恋人同士の心の変化を伝えてます。こんな恋をしたことがあったかな?と思い起こします。うーん、ない。ないというよりあったとしても、自分の頭で整理できてなかったというか、終わりのない愛情だったと思います。それをうまくコントロールすれば、また違った結果になったのかもしれません。とにかく自分の欲をぶつけるだけで、相手のことを思いやる気持ちに欠けていたのかな、と思い出されます。
相手の誕生日を忘れていたり、休みが全く合わなかったり、会ってもデートだけでとどまらずホテルばかり・・・など、自分勝手でした。やはり「わがままは男の罪 それを許さないのは女の罪」なのでしょうか?女の罪というのは言い過ぎですね。でも男の気持ちとしては、そういう感情があることもわかります。なぜ相手のことを慮ることが出来なかったのか?それはこの歌のサビに書いてあります。
「若かった 何もかもが」
僕は20から21にかけてそういった恋愛をしてきました。
相手の方には嫌な思いをさせたとともに、僕の存在そのものが次の恋愛へと続いていく通過点に過ぎなかったのもしれません。僕も半年後には次の相手を見つけては付き合ってみたり、と節操がありませんでした。
「僕らには 出来なかった 大人の恋は どうしても」
と歌われてこの曲は終わっていきます。その後、家内と出会いまさに「大人の恋」をしていくわけですが、初めの頃は夢と希望だけで走り続けていたと思います。若さだけではどうにもならない部分も多いのです。
「もつれた糸を 引きちぎるように 突然二人は 他人になった」
虹とスニーカーの頃の3番は、心がすれ違っていく描写が多いです。そこへつながっていく熱い想いや出来事が、1番2番にともすれば明るく書かれています。その落差がこの歌をよりリアリティのある恋愛の歌になっていくのだなと思います。
僕が作っている歌は、基本的にのっけから一人です。で、過去に何があったか、その時にどんな感情を思い描いたのか、なぜ今はひとりになったのか、そんな所を書いています。少しでもそんな気持ちがリスナーの方に届けられたらいいなと、思っています。
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